埼玉県さいたま市にある法律事務所
あすなろ法律事務所
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      弁護士 新穂 正俊
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 頭部外傷による高次脳機能障害について

             

 あなたのご家族で、交通事故で頭を強打され、脳挫傷等のために入院をされ、無事退院されたが、

物忘れが激しくなった
事故前にくらべて怒りっぽくなった
会社での仕事が以前のようにできなくなった
よく知っている場所で迷子になり電話がかかってきた
注意集中ができなくなった
・何か行動がおかしい

等ということを感じていらっしゃる方はいらっしゃらないでしょうか。
 もしそのようなことがあるようでしたら、交通事故での頭部外傷による高次脳機能障害という後遺障害が残っている可能性が非常に強いと思われます。一度、ご相談下さい(交通事故による人身事故の初回相談料-30分程度-は無料です)。         
      

 交通事故で頭部の外傷により、脳挫傷、急性硬膜下血腫等の傷害を受け、その傷害により、その後、意識障害を生じ一定の期間その意識障害が継続することがあります。命も危ぶまれる状況も多く、家族の方も、ある程度その被害者の方が回復されることにより、何とか命も取り止め回復してくれたということで一安心をされることでしょう。

 しかし、退院した後も、何となく言語障害があるように感じたり、よく物にぶつかったり、今までできていた計算ができないとか、復帰した会社では、失敗を繰り返したり、家でも頼んだ用事を忘れていることが多かったり、以前は穏やかな性格だったのに、怒りっぽくなりすぐに切れてしまうとか、約束をよく忘れるとか、外出をしたが迷子になってしまい帰ってこれなかったという状況が発生し、何となく変だなと心配されているご家族の方はいらっしゃるのではないでしょうか。まさに、そのような症状が高次脳機能障害の典型的な症状なのです。

 
高次脳機能障害とは、病気や事故などの様々な原因で脳が部分的に損傷を受けたために、言語、思考、記憶、行為、学習、注意等の知的な機能に障害が起きた状態をさします。注意力や集中力の低下、比較的古い記憶は保たれているのに新しいことが覚えられない、感情や行動の抑制がきかなくなるなどの精神・心理的症状が出現し、周囲の状況に合った適切な行動が選べなくなり、生活に支障を来すようになってしまうのです。

 高次脳機能障害と認識されにくいこと


 もちろん、高次脳機能障害になったとしても、このような症状が必ずしもすべて出るわけではありません。損傷した場所により出る症状は違ってきます。外部的には、一見普通の人とは変わらない感じを持たれる場合も多く、しかも医師の間でもまだ十分に高次脳機能障害について認識されていないことや、実際にリハビリをきちんとできる機関も少なく、国のほうでも高次脳機能障害障害に対応するための研究とプロジェクトが行われている状況です。平成19年2月に出された「自賠責保険における高次脳機能障害認定システム認定委員会」の。「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムの充実につて」の報告書によると、種々の理由で高次脳機能障害は依然として見過ごされやすい障害であると考えられています
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 高次脳機能障害が特に問題となる理由


 まず挙げられることは、交通事故での脳外傷による高次脳機能障害では、一見するとあまり健康な人と変わらないように見えますが、事故により頭を強打することで、脳の中の脳神経が切断されることにより、記憶・記銘力障害、失見当識、知能低下、判断力低下、注意力低下、性格変化、易怒性、感情易変、多弁、攻撃性、暴言・暴力、幼稚性、病的嫉妬、被害妄想、意欲低下等が生じ、それにより人格変化が生じ通常の日常生活や社会生活を営めなくなることにその問題性が存在します。中には、例えば表面上は以前と変わらず、ただ注意力を持続することが出来にくい状況になったり、意欲障害を起こしたりするため、仕事の途中でボーとしてしまったり、事故以前の記憶には問題なくても、それ以後の記憶について障害が生じ、例えばスケジュールを記憶できないとか、約束を忘れてしまうとか、仕事で教えられた手順を記憶できないことにより何度教えられても仕事が覚えられない等の障害が発生したりします。また、日常生活上でも、物の使い方がわからなくなったり、服を着たりすることもできなくなることもあります。さらには、例えば左側に存在するものについて認識できないとか、さらには言語障害を起こしたりすることもあります。これらの障害により、通常の日常生活や、仕事も含めた社会生活をうまく行っていくことができなくなってしまうという状況になるのが高次脳機能障害なのです。

 さらに、問題となるのは、身体障害があまり認められず、ただ、情動や人格の障害で攻撃的になったり、自分がどこにいるかがわからなくなる障害(地誌的障害)や、判断能力や記憶障害のため、勝手に出歩いて、帰って来れなくなったり、危険な状況に陥ったりするために、常時監護が必要となる場合もあり、遷延性の意識障害における監護より、場合によって大変な監護になるということもあり、そのような場合には家族がまともに仕事にも出れない状況になってしまい家族の生活自体も成り立たなくなるという状況にさえなりかねないということです。

 
また、そのような場合には家族だけでは監護できず職業監護人に依頼することにもなり多額の出費を強いられることとなります。このように、遷延性意識障害とは違った形での困難性が存在します。
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 高次脳機能障害の症状


 高次脳機能障害で現れる主な症状は次のようなものがあげられます。

  1. 失語
    話したり、聞いたり、書いたり読んだりする能力の障害です。
  2. 失行
    身体の麻痺がないのに行動がきちんとできない障害です。次のような失行があります

    ⑴ 運動失行
      これまで出来ていた行動、例えば自転車に乗ったり、手袋をはめたりする行動のがうまくできなくなったりする障害です。

    ⑵ 観念性失行
      脳の広範囲で障害が生じることにより、物が何であるかを理解して手順よく動作することができなくなる障害です。例えば人から言葉で命令されてもそのとおり行動できなかったり、人の動作をまねをすることができなかったり、タバコとライターを渡されてもその関係がわからないなどという障害です。

    ⑶ 着衣失行
      
    体の半分を無視する症状がでるために服を着る行動が困難になるという障害です。
  3. 失認 
    今までわかっていたことが理解できなくなる障害です。触ってみても何かわからないとか、物を見ても何かわからないなどの障害です。次のようなものがあげられています。

    ⑴ 視覚失認
      視力や知能に問題もなく、また手で触ったり音で聞いたりするとわかるが、目で見るだけではその物が何かわからなくなってしまう障害です。

    ⑵ 視空間失認
      空間での物の位置関係がわからなくなる障害です。例えば半側空間 無視の場合、視空間の半分にあるものを無視して行動してしまいます。そのため、食事の時に左半分にあるおかずを食べないとか、絵を描いたときに左半分にある部分を描かないなどの症状がでます。

    ⑶ 聴覚失認
      音は聞こえても、耳から聞こえる音が何の音であるのか理解できないという障害です。

    ⑷ 触覚失認
      感覚障害自体はないのに、手で触れた物が何であるかを理解できない障害です。

    ⑸ 半側身体失認
      
    身体の個々の部分の感覚が認知できなくなったり、身体の左右がわからなくなったりする障害です。
  4. 記憶障害
    記憶に関する障害で、覚えられなかったり、すぐ忘れてしまったり、作り話をする等の症状がでる障害です。
  5. 地誌的障害
    よくわかっているはずの場所なのにその中で道がわからなくなったり、新しい道順を覚えることが困難になる障害です。
  6. 遂行障害
    実生活において目的もった一連の行動を有効に行うことができない障害です。
  7. 注意障害
    注意を持続できなかったり、複数のものに注意を向けられなかったり、注意を切り替えたりできない障害です。例えば二つを同時にすることができない。やかんでお湯をわかしながら他の料理をしているが、やかんのお湯が沸いているのにやかんをかけている火をとめることができないことなどがその一例です。
  8. 情動や人格の障害
    情動面の障害としては、活動性の低下や自発性の欠如のようなうつ状態が生じることがあります。また人格の障害については、抑制がきかなくなったり、怒りやすくなったり、道徳や社会性が低下したり、感情が押さえきれず暴力的になったりする症状がでる障害です。
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 高次脳機能障害の後遺障害の認定につて


 高次脳機能障害が後遺障害と認定される場合に、その等級は次の等級が認定されることとなります。しかし、高次脳機能障害という後遺障害として認定されることそのもの、認定されるとしても、その中で、さらにより重い後遺障害と認定されるためには、色々難しい問題をクリアする必要があり、受けた傷害の状況、その後の意識障害の経過、さらには、その傷害の結果、事故前の状況と違って事故後に日常生活や社会生活上の大きな支障がある障害が残ったことが客観的に認定されなければならず、認定を受けるには種々の検査を受けておく必要もありますし、また提出する資料についても入念に検討をしておく必要があります。困難な作業です。また後遺障害の診断書を書いていただく医師の方についても十分な知識が必要です。後遺障害の診断書の内容や、添付する資料によっては高次脳機能障害の認定さえされない場合もあり得ます。十分な準備(できれば入院中からの)を必要とします。

 

  1. 介護を要する後遺障害1級1号(後遺障害の中で一番重い障害です)
    神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
  2. 介護を要する後遺障害2級1号
    神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
  3. 後遺障害3級3号
    神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  4. 後遺障害5級2号
    神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  5. 後遺障害7級4号
    神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  6. 後遺障害9級10号
    神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
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 弁護士への相談
 交通事故により脳挫傷を受傷し、急性硬膜下血腫や外傷性くも膜出血等があり、意識障害が重かったり、特に重いとまでは言えなくともかなりの期間意識障害がある被害者の方は高次脳機能障害になる可能性が非常に強いので、そのご家族は、できればできるだけ早い時点で、高次脳機能障害について知識のある弁護士に相談を受けることをお勧めします。できれば、入院中に、担当医師との接触の仕方や、被害者の方の入院時や退院後の生活状況の経過等をできるだけメモとして残しておけば後にかなり有用な資料になる可能性があります。このようなことに関しても一度ご相談下さい。交通事故相談(人身事故について)は初回1時間まで無料です。
相談のご予約は048-851-3633まで。


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