埼玉県さいたま市にある法律事務所
あすなろ法律事務所
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      弁護士 新穂 正俊
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 相続と家族信託-相続への自分の思いの実現に向けて

  家族信託により相続をさせる方法の選択肢がたくさん増えました。以下にこのことについて説明します。

 第1 家族信託を考えてみませんか!

 家族信託であなたの相続や遺言についての不安を解消し、あなたの希望を実現させてみませんか。
 例えば、

 ⑴ 相続財産として夫婦で住んでいる土地建物とわずかな預金しかないが、自分の死んだ後も、妻が死ぬまで今住んでいる家にずっと住まわせたい。子供達にはその後に遺産を継がせたい。どうすればよいか。

 ⑵ 障害のある長男がいるが、自分が死んだ後も、今ある財産を遺して長男が将来きちんと暮らして行けるようにしておきたい。うまくできる方法はないか。

 ⑶ 妻を亡くしたあと、60才半ばで一緒に暮らしていきたい相手が見つかった。しかし、自分に財産があるため、再婚相手が財産目当てではないかと子供たちに疑われて結婚に反対されている。何とか子供たちを納得させられる方法はないか。

 ⑷  一棟の賃貸マンションを持っているが、自分の死後もそのマンションを維持し、その家賃で、妻が生活していけるようにしたいし、子供たちの間でも遺産分割がもめないようにしたい。どうすればよいか。

 ⑸ これから年をとって自分が認知症になったときに、自分の持っている財産をきちんと管理してもらって、自分や妻も含めて安定して生活していけるようなプランを考えておきたいがどうすればよいか。

  上記の例のように、これまでの後見制度や相続制度・遺言等では、納得のいく解決策が見つからないことがあります。しかし、これら従来の制度とは別に、解決策を見つけられる可能性のある制度があります。
 それが「家族信託」という制度です。家族信託では、これまでの制度と異なり、柔軟で個人個人に適切なプラン(スキーム)を作り出すことが可能です。特に、上記の例のようなものについては、家族信託は従来の制度よりも優れた解決策を提案する事ができるでしょう。

 上記のような例にお悩みの方、従来の相続で希望を実現できずにお困りの方は是非一度ご相談下さい。第1回の相談は無料です。
 

 第2 信託(家族信託)について

1 信託とは 
  信託という制度について
、簡単に説明します。信託とは、ある目的のため に、信頼できる人間等に自分の財産を委託して、受益者のためにその財産の管理運用等をしてもらう制度です。改正された信託法が平成19年から実施されていますが、それまでは、通常「信託」といえば、信託銀行を受託者とし、委託者を受益者とする信託でした。しかし、ここで利用しようとする家族信託は、家族が、主に他の家族や親族を受託者とし財産の管理運用を委託し、同じく自分自身若しくは他の家族を信託財産の受益者とする家族のための信託です。例えば、夫が長男に自分の財産を信託によって移転し、自分の死後、妻が死ぬまでは信託財産で安定した生活をできるようにし、妻が亡くなった後は、長男を含む子供達にその財産を争いなく取得させる、というように家族の生活を守り、争いをなくすための信託です。
 

 信託により委託をする者を「委託者」、財産を委託され管理運用する者を「受託者」、信託された財産の利益を受ける者を「受益者」と言います。前述の第1の⑴の例であれば、夫が「委託者」、例えば長男を「受託者」、妻及び長男も含めたその後の相続人である子供達が「受益者」となるわけです。
 信託で自分の財産を受託者に委託する際、その名義は自分から受託者に移ります。信託では、生前に名義を移す場合と、遺言と同様に死後に名義を移転する場合が考えられます。

 信託は、委託者と受託者の契約や、遺言等の単独の行為でも行うことができます。但し、単独の行為の場合には受託者として指定された方が受託して頂く必要があります。

2 信託財産の名義移転について
  信託の際、財産の名義は委託者から受託者に移転します。そこで、受託者に勝手に財産を使われてしまうと不安に思うかもしれません。しかし、受託者は、信託財産を信託の目的の範囲内でしか管理運用ができません。
 
信託での名義移転は形式的なものです。むしろ、所有という意味からすると信託財産は委託者のものでも、受託者のものでも、また受益者のものでもなく、誰のものでもない財産となり、誰かが信託の目的に反して消費することは違法となるのです。この点で、通常の名義移転とは大きく異なります。信託では、その信託目的ごとに適切な条項を加えることが可能なので、上手く使えば従来の後見制度よりも濫用の危険性を低くすることも可能ですが、何よりも、信頼できる受託者を見つけることが一番大事です。
 
3 信託のメリット
 ⑴ 倒産隔離機能
   
 信託には、倒産隔離機能があります。委託者・受託者・受益者のいずれかが倒産しても、その債権者に信託財産が差し押さえられる事は原則的にはないこととなっています。

 ⑵ 順次受益者の指定が可能
    
遺言では、最初の相続についてしか指定ができません。例えば、あなたに後妻と前妻との実子がいて、後妻の生活は保障したいが、その死後には実子に財産を残したい場合でも、遺言ではそのような希望に応えてはくれません。

    信託では、信託設定から一定期間、順次受益者を決めておくことが可能です。従って、「第一相続の時は妻を受益者に、その次の相続は子を受益者に、その後は孫に」というように、相続に関し遺言等では自己の意思を反映させることができない場面でも、その意思を実現させることができます。
 
 ⑶ 不動産等の有形財産(不可分又は分割を望まないもの)をそのまま子孫に承継
    
従来の相続制度の下では、その家や土地があなた方家族にとって思い入れのある物でも、場合によって相続のために分割したり換金せざるを得なくなり、形ある財産は散逸してしまうでしょう。このように相続財産のほとんどを不動産等が占める場合、受益者を順次指定することによって、最終的にその財産が相続人全員の手元に来るようにします。こうすることで、遺産分割や遺留分の問題を解決し、思い入れのある物や先祖代々の不動産等の大切な有形財産を、相続の度に散逸させることなく子孫に承継させることが可能です。

 
 ⑷ 従来の後見制度での不可能を可能にする
   
後見制度では、被後見人が亡くなると、後見が終了してしまうので、死後の葬儀等に関して指示を出すことはできません。任意後見契約の場合、同時に死後事務委任契約を結んで対応することも可能ですが、いくら信頼できる後見人を選んでも、委任契約なため、後見人が先に死亡すると原則として契約が終了してしまいますし、当事者はいつでも解除できるため不安定です。

  これに対し、信託は委託者、受託者のどちらが死亡しても継続し、委託者と受益者の合意がなければ終了させることはできません。従って、通常の委任契約や遺言等よりも安定し、強固なものとなります。
  また、後見制度はあくまでも生きている被後見人だけのためのものです。被後見人以外の人の生活に関してはなんの担保もありません。ですから、認知症になって自分に後見人がついたとしても、その後見人は必ずしも自分の妻や子供達の立場に立ってその生活を考慮してくれるわけではないし、被後見人の死後にできるだけ財産を残そうなどとはしてくれません。
  信託であれば、自分自身の生活はもちろん、家族や近しい者もまとめて、自分の意思を総合考慮した柔軟なプランを作り上げることが可能です。
 
  ⑸  生前から死後も安定継続した意思の反映
      
信託には意思凍結機能があり、信託契約が継続する間は、その後の状況に変化があろうとなかろうと、信託の目的とされた委託者の意思が永続的に反映され続けます。また、前述の通り委託者と受益者の合意がなければ終了させることができないため、負担付死因贈与等のように、簡単に契約を反故にされることもありません。従って、たとえ自分の死後であっても、長期間に渡り自己の意思を安定して反映させ続けることができます。

 第3 家族信託の具体的な例

 例えば、最初の問題事例を例に上げます。
⑴の問題事例について
 委託者である夫が住んでいる土地建物が相続財産のほとんどを占める場合、夫の死後、土地建物を妻の住居として維持させたいと考えても、遺言では遺留分の問題が出てきます。遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に最低限留保された相続分であり、遺言や贈与がこれを侵害してなされれば、侵害された相続人から遺留分減殺請求という形で異議を申し立てることができます。この例で言えば、遺言で妻に土地建物を相続させることと定めても、相続財産は土地建物がほとんどですから、子供達がその内容に同意しなければ、子供たちのそれぞれの法定相続分の2分の1の割合につき遺留分減殺請求をされる可能性があります。その場合、妻が家を保持したければ、子供達の遺留分を填補するため現金等を妻自身で別途用意することが必要になるでしょう。また、夫が、妻の死後にはその土地建物を子供達に取得させたいと考えていたとしても、妻が、その土地建物を他の人に遺言で遺贈するということになれば、夫の意思を実現することはできません。
 しかし、家族信託を使えば、夫の意思を実現させることが可能です。妻が生きている間は妻に住まわせる権利を受益者として与え、子供のうちの一人を受託者としてその財産の管理をさせます。妻が亡くなった後は、財産を管理していた受託者に土地建物を売却させ、子供達を第2次受益者として売却代金を渡すようにするということなども可能となるからです。その際に、管理をした長男に多く渡すこともできます。この手順ならば、子供達も最終的には財産を受け取ることができるため、遺留分減殺をされるおそれもほとんどなくなります。夫が死んだ後の妻の住居も確保できますし、その後の争いもなくすことができます。遺言ではできないことです。

⑵の問題事例について
  委託者である父親が、自身の死後、障害ある長男の生活を保障するために、その長男を受益者とし、信頼できる次男を受託者として、長男が生活できるだけの財産を委託し、長男の生活費用等の確保と財産の適切な管理運用をしてもらうことができるように手配することが可能です。例えば、一棟の賃貸マンションが資産の中で大きな部分を占める場合、次男を受託者としてその賃貸マンションの名義を移転し、賃貸マンションの管理運用をしてもらい、その賃貸収入の中から、長男の生活費や療養費を確保し、その余の部分を財産管理のための費用や修繕積立に充て、その残り賃料については長男以外の子供達に配分する等の方法で、実質遺産分割をしたのと同じような状況を確保することができます。次男が受託者に単独でなることで、賃貸マンションの大規模修繕の意思決定をスムーズに行ったりすることも可能となります。また、信託財産を分割しなければならないような状況が生じた場合でも、受託者が単独で売却し、費用を除いた売却代金を、事前に委託者である父が決めた割合に応じて取得させるということも可能です。もちろん、遺留分を考慮した配分を行う必要はありますが、このような父親の意思を遺言だけで実現させるのは難しいでしょう。

⑶の問題事例について
   
妻亡き後、新たに再婚したい相手を見つけたとしても、子供達からすれば、再婚相手が財産目当てで結婚しようとしているのではないかと疑わずにいられないこともあるでしょう。かといって、夫の死後、子供達のみに相続をさせると、後妻の生活の保障がなくなります。逆に、後妻の生活のためにと後妻に財産を相続させると、その財産は後妻の死後、後妻と血縁関係のない亡夫の実子には相続されません。夫としては、後妻の生活を保障しつつも、後妻の死後、相続財産を妻の親族ではなく実子に取得させたいと考えます。しかし、遺言だけではこのような夫の意思を実現させることはできません。
 
家族信託を使えば、例えば、委託者である夫は、その所有財産の一部又は全部を信頼できる実子の一人に信託により移転させ、その実子に財産の管理運用をさせます。そして夫亡き後は、後妻を受益者として、受託者である実子が後妻の住む場所を確保すると共に生活費を給付し、後妻の将来の生活の安定を担保します。信託の目的はあくまでも後妻の生活の保障であるため、後妻が生活の保障を超えてその財産を浪費することはできません。これにより、財産目当てではないかという子供達の不安は解消されます。また、受託者である実子も後妻の生活のために生活費を給付する義務を負うため、後妻の生活も保障されます。後妻の死後は、夫の子供達に残っている財産を取得させます。結果、夫はスムーズに再婚をすることができ、夫亡き後の後妻の生活も保障し、かつ後妻の死後には子供達への財産取得をスムーズに行わせることができます。遺言ではこのような指定はできません。

⑷の事例について
  一棟の賃貸マンションと自宅を持っており、妻の生活費として、賃貸収入の一部から妻の生活費を確保したい場合や、数名いる子供の間で一棟の賃貸マンションの分割をすることが難しい場合があります。このような場合、子供の内の一人に賃貸マンションの名義を信託で移転し、その子に賃貸マンションの管理運用を任せ、賃貸収入から必要経費を差し引いた部分の内一部を、妻に渡します。そして、残りの一部を今後の大規模修繕等も視野に入れた管理費用として積立てし、更にその残りを受託者である子も含めた妻以外の相続人に配分する形にします。妻(母)が亡くなった後も、継続して、その収益を修繕積立や相続人間での配分に充てながら、受託者は、大規模修繕等を行い、賃貸を継続します。最終的には、受託者がその権限でマンションを売却し、その売却代金から費用等を控除した後、委託者である夫が生前に決めた割合で子どもたちに取得させることで、信託を終了させます。これにより、委託者亡き後の妻の生活の保障や、遺産分割をスムーズに行うことを可能になります。マンションを共有にしてしまうと、いざ大規模修繕や売却の決定をしようとする際、意見がまとまらず意思決定ができなくなるという状況に陥ることがあり得ます。信託ならば大規模修繕、売却等の決定や手続を受託者だけの判断で行うことができ、様々な手続をスムーズに行うことを可能とします。

⑸の事例について
  将来高齢化し、夫である自分が認知症になった場合等を想定して、自己の財産を引き続き適切に管理運用できるようにしたい場合、子を受託者として、信託契約により財産を信託し、痴呆症になる前から財産の管理運用を任せ、自身の死後の財産管理もしてもらう、という信託が可能です。夫が生きている間は、信託財産の運用収益から必要な費用を控除して委託者である夫に渡してもらい、夫が認知症等になった場合には、その療養費等も含めて一定額渡してもらうことにして、その間の妻の生活も含めて保障されるようにします。信託では任意後見契約と同様に、信託財産の管理運用の受託者として、他人である成年後見人ではなく、自身が信頼できる者を指定することができます。また、信託契約の内容に適切な条項を加えることで、委託者亡き後の妻の生活の保障や子供達への相続をスムーズに行わせることも可能となります。
 
成年後見では、基本的に最小限の財産の管理しかできません。従って、投資的な運用を伴う株や投資信託は原則としてできません。また、被後見人の生活に必要最小限な範囲での管理しかできないため、例えば、被後見人所有の賃貸マンションの大規模修繕等も行いにくく、必要に応じた資産の一部の売却ですら適時に行えない可能性が高くなります。その点、信託の受託者であれば、財産をその者によって管理運用させるということも、信託の目的に合致する限り、問題とはなりません。もし、受託者の万が一の濫用を心配するならば、その点について手厚く条項を整備したり、監督人や受益者代理人を置くことも可能です。

上記は5つの事例の解決策はほんの一例であり、あなたの意思に基づき、これとは異なるプラン(スキーム)の提案が可能です。また、ここに挙げた例以外にも、会社の事業承継など様々なライフシーンで、遺言等ではできないことを実現できる可能性のある制度です。
  今後の自分の財産の分割方法や、承継の仕方、妻の生活の保障、障害のある子の生活の保障、遺産分割をスムーズに行う方法や、とりあえず葬儀費用だけでもスムーズに出せるように一部の財産を子どもの一人に信託したりすることなども可能であり、家族信託は、その意味で、遺言とは違って色々な可能性の追及が可能な制度です。

すでに述べた問題事例のような問題を抱えている方は、当職までお気軽にご相談下さい。1回目の相談は無料です。

 相続について
 

 これまで家族信託について詳しく述べてきましたが、相続についても、色々な疑問をお持ちでないでしょうか。例えば、

  そもそも相続分はどれくらいあるのだろうか。
私は父親の事業について献身的に協力し財産も増やしたが、このことは全く遺産分割では考慮されないのか。
 兄弟は自宅の土地を父親からもらっているが、相続の時には、それは関係ないのだろうか。
 私を受取人としている生命保険金があるが、その保険金も相続の一部として計算されるのか。
 父親の遺産について同居していた姉は、その内容をどうも隠している部分があるようだが、預金などについて調べることはできないのだろうか。
 なかなか遺産分割の協議に協力してくれないが、具体的に遺産分割の話をできる場はないのか。
 兄は、相続財産の土地について固定資産評価額で計算することになっていると言っているが本当にそうなのか。
 遺言書が貸金庫から見つかったが、どのような手続をとる必要があるのか。
 遺言書では、私に対する遺産は全くないようであるが、遺産を全く取得することはできないのか。
 遺留分減殺請求を起こされたが、どうしても自宅の敷地となっている亡き父親名義の土地は取得したいと考えているが、減殺分についてお金を渡すことで解決することはできないのか。

等々の多くの疑問があると思われます。これらの点について後にQ&Aで疑問を解決していきたいと考えています(まずは出来上がったQ&A1及びQ&A2から随時掲載していきます。未完成の部分は出来上がり次第随時掲載していきますので宜しくお願いします。)

弁護士は、相続に関する遺産分割や遺言に関することについての法律の専門家です。もし、相続について問題を抱えられるようであれば、是非とも弁護士に相談されることをお勧めします。当事務所も、積極的に、家族信託も含めて相続の問題についての法律相談をお受け致します(特に家族信託に関する相談の1回目は無料ですので大いにご利用下さい)し、必要があれば、遺産分割や遺言に関する問題について、代理人としてお手伝いを致します。お気軽にご相談下さい。

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                       所長 弁護士 新穂正俊
                       
(埼玉弁護士会所属

                
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