埼玉県さいたま市にある法律事務所
あすなろ法律事務所
         ASUNARO LAW OFFICE
      弁護士 新穂 正俊
法律トラブルの頼れるパートナー

  頻繁売買による客殺しの手法がふえているのでは?
 最近終了した事件から、頻繁売買で、顧客の預託した委託保証金の取り込みが行われている可能性が強いと感じ、各商品取引会社の自己売買枚数と委託による取引枚数を調べてみました。
以前は、委託による売買枚数が多いにしても、自己の売買枚数がかなり多い状況で、いわゆる差玉向い(一部について自己玉と対応して取引がされているもの)がかなり多い状況でしたが、委託取引(顧客の取引を取り次いでその手数料を稼ぐ取引)を中心に営業を行っている会社における、今年の毎月の自己の売買枚数と委託による売買枚数を調べましたところ、ほとんどの業者が自己売買枚数が0に近いか極めて少ない数になっていることがわかりました。
パソコンでの自分の判断での取引であれば、商品取引会社の自己売買枚数がかかわらないのは当然のこととなります。しかし、対面取引(大部分は電話でのやりとりによる担当者への注文依頼)においては、以前は向い玉を使って顧客の資産の取り込みをする客殺しの手法がそれなりの割合があると考えられていました。もちろん頻繁売買もありますが、ミックスして顧客の資産の取り込みが行われていた場合が圧倒的に多かったと思われます。向い玉を利用するのであれば、当然自己玉の売買がかなりあるはずですが、開示された各会社の月間取引枚数を確認したところ、自己売買枚数は、ほとんどなく、委託売買枚数だけがあるという場合が大半を占めるようになっています。
 
  どうしてこのように状況が変わったのか?
 このような状況になったのは、おそらく、既に指摘した最高裁判決において、差玉向いの場合には、向い玉をしている事などをきちんと説明しなければ、後に、顧客に損害が発生したときに、その義務違反ということで、賠償金の支払をしなければならなくなる可能性が強くなったことにあると思われます。わざわざ、向い玉をしているなどと説明すると、向い玉を利用して(例えば委託者に安く下がっているときに売りを建玉させ、自分がその売買の時点で利益がでる可能性の強い買建玉を建てて、後に上がった時に買いを決済することにより利益を挙げるが、当然顧客はその分損が発生することとなります)、顧客の委託保証金を実質取り込む手法はとりにくくなり、向い玉による取り込みができにくくなってしまったということがあります。そんな状況で向い玉を利用する意味がなくなり、この手法をとることをやめてしまったと考えられるのです。このことは、数年前における自己売買枚数と委託売買枚数の状況と、最近における自己売買枚数と委託売買枚数の比較をすれば、すぐにわかります。
では、業者はどのようにして、顧客の委託証拠金から自分の利益を挙げようとするかということです。当然委託手数料しかその方法はありません。
 
 では、どのようにして、より多くの委託手数料を取得することができるか?
 まず、業者としては、インターネットでの取引で、高額な委託手数料を稼ぐことは困難です。何故ならば、その手数料は、対面取引(電話での注文等)による手数料の10分の1から20分の1程度の手数料しかならず、しかも、取引者は自分で考えて取引しますので、一回の取引枚数も少ないことにあります。何故少ないかといえば、、そもそもが、取引額自体が保証金の何十倍とか何百倍という額を取引しており、少ない枚数でも、十分な利益をあげることができるからです。
従って、業者としては、担当者に個別訪問させ、全く先物取引を知らない人に勧誘を行い担当者を通じて注文させる形で、事情を知らない顧客に多くの枚数の取引をさせるのです。しかも、対面取引の手数料は、10倍から20倍程度の手数料になりますので、ホームページからのトレードに較べて圧倒的に多額の手数料を得ることができるのです。しかも、そのような顧客は先物取引の知識がないので、まず、1回で多数枚の取引をさせ、さらに、毎日のように売ったり買ったりさせれば、手数料がどんどん入ってくることになります。私が担当した事件では、1カ月の手数料が300万円にもなるものがありました。顧客の人は何故こんなに損をするのかわかりませんから、手数料で損をしているとはなかなか気づきません。あなたが、もし、先物取引で、担当者に勧誘されて、担当者への注文をして取引をしており、取引回数が多く、その損害が雪だるま式に増えているのであれば、上記のような状況になっている可能性が強いと思われます。
 
 どうして損害が増えるのか?
 このような場合どのようにして損害が増えるのかといえば、次のような取引がなされているはずです。
 まず、前日含めて最近買った若しくは売った建玉を処分して、再びその日の内に処分した建玉と同じ玉を同じ枚数かその前後の枚数を建てるという手法があります(買直し、売直し、併せて「直し」という手法)。
似ていますが、建て直す玉が、買いの場合にそれを決済し、売りの建玉を同じ枚数かそれに近い枚数建てるか、逆に売りの建玉を決済して、すぐに買いの建玉を同枚数かそれに近い枚数すぐに建てるという手法もあります。(反対の建玉を建てるので途転「どてんと読みます」と言います。)
さらには、当日建てた玉が利益が出た若しくは損が出たのですすぐにその日の内に決済をさせてしまうという手法(日計り)もあります。これと併せて決済後短時間で、同じ日の内に再度直しや途転をさせて取引を増やすということをやっている場合もあります。
これらだけではなく、当日ではなく、その翌日に同じように直しや途転をさせる(正式には直しや途転とは言いませんが、ほとんど同じ結果となります。)ということもあります。
また、両建と言って損が出た時に反対の玉を建てることを進められることがありますが、
両建をしてうまく行くことはまずありません。何故ならば建てている玉自体大変の損害が発生している状況ですが、それに加えて、両建で建てる反対の玉は、その反対玉にとって損が発生するような時に建てることとなるので、到底うまく行かないのです。例えば買の建玉を持っている場合を例にあげると、買建玉の場合に、値段が下がったときに、反対の売建玉を建て両建することとなります。売りの建玉は決して安い時に建ててはいけません。何故なら、買い戻しをしなければなりませんが、安く売りを建ててしまうと、当然それより下がる可能性は圧倒的に少なくなり、通常高値で買うことで決済することとなります。両建として建てる玉が必ず損をすることになるような時期に建玉することになります。しかも、少なくとも、手数料は必ず支払をすることとなります。両建するような状況であれば、損はすでに発生しているので、一度決済して時期を見て新たに建て玉をすることが必要となります。決して両建などすべきではないのです。手数料も当然無駄になると言えます。
さらに、取引の枚数が数枚から数十枚、金ミニや白金ミニであれば、一度に数十枚から100枚近くの取引がなされる場合もまれではありません。これだけで、多額の手数料となります。手数料の支払は売買の直接の損ではありませんが、顧客にとっては売買における損と何ら変わりません。また業者にとっては、取り次ぐだけで、多額の手数料は棚ぼた式に入ります。まさに先物取引を知らない人はだまされていることとなります。
 
 皆さんの取引には、このような取引になっていませんか?
業者が顧客の皆さんの委託保証金をいかにして自分の利益として取り込むかについて説明をしました。これまでに対面取引で多額の損害が出ている人は、もう一度、これまでの取引を見直してみて下さい。おそらく、これまで述べたような取引が多数存在するのではないでしょうか。
もしそうであれば、当職のほうに一度ご相談下さい。
1回目の相談は、無料で行っています(時間制限はありますがその中で大体方向性は見つかるはずです)。お気軽にご相談下さい。全部回収することは難しいと思われますが、一部を回収することができる可能性があります。特にこれまでに経験がなく、短期でこのような状況になっている人は少なくとも損害をかなり少なくすることができる場合が多くなります。是非とも一度ご相談頂ければと思います。