埼玉県さいたま市にある法律事務所
あすなろ法律事務所
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      弁護士 新穂 正俊
法律トラブルの頼れるパートナー

先物(商品)被害にあっていませんか

 商品(先物)取引業者からしつこく電話や訪問で勧誘され、根負けして国内の商品取引所での先物取引を始めさせられ、何もわからないまま、業者の言ううがままに取引をして大きな損害がででる方はいらっしゃいませんか。損害もでて取引はやめたいと話しているのにやめさせてもらえなくて困っている方はいらっしゃいませんか。
 先物取引は、大変危険な取引であり、十分な知識と財産がある人でさえも莫大な損をしてしまう可能性が大きい取引です。従って、知識がない人が取引をしても利益を上げることができないことはもちろんのこと、逆に取り返しのつかないほどの損害を負ってしまいます。

 先物取引被害にあっている方は速やかに弁護士にご相談を! 

 前記の先物取引被害にあわれている方はすぐにご相談下さい(まずは048-851-3633にお電話を。先物取引被害については無料相談を実施しています)。時間をおけばおくほど被害が拡大します。依頼があれば弁護士のほうで業者に対し取引を先ず中止させる手続きをとる事により損害が拡大することを防止します。もちろんできるだけ早い時期に弁護士に相談することが被害の拡大を防止するうえで重要です。取引中止の際には原則、併せて、単なる取引清算後の清算金だけでなく被害金額(損害部分)の返還も求めます。その後の処理も弁護士におまかせ下さい。

 海外市場での先物取引について

 先物取引被害では、国内にある公設の市場(例えば東京工業品取引所や東京穀物商品取引所等など)での取引を対象とする経済産業省や農林水産省に登録した業者以外に、海外の市場での取引を対象とする、前記のような登録のないアウトサイダーの業者による場合もあります。この場合には、現実に取り次いでいない場合や取引玉の全部に対向させて自分の取引玉を建てるなど悪質な場合がほとんどで、その業者の資力も十分でなく清算金の返還さえももおぼつかないものも多く、被害回復はかなり困難な場合も多いと考えられます。裁判で勝訴しても資産がなければ回収ができません。この点は、このような状況があることもお知りいただく必要があると考えます。もちろんある程度の被害回復ができる場合もあることは否定するわけではありません。ケース・バイ・ケースということになります。
 なお、国内公設市場での取引における損害賠償請求において、損害を認める場合も、清算金(残金)以外の損害金については被害者にも過失があるとして損害金(清算金は別です)の2割から5割(多くは4割から5割)程度減額して損害を認めるとする判決が大部分と言える状況です。なかなか満額の損害金を認める判決は少ないというのが現状です。国内公設業者では裁判に勝訴した分は特別な事情がなければ回収は可能だと思われます。とにかくいかに早く取引をやめ清算金をより多く残せるかが重要な問題となります。

  パソコンや携帯によるオンライン取引をされている方に


 パソコン等で自分でオンライン取引をされている場合は、従業員に勧誘されずに自分の意思で取引を始められ、以後もホームページ等の情報を基に自分の判断で取引されている場合が圧倒的に多いと考えられます。取引業者のホームページで虚偽の情報操作がなされたなどの特別の事情が証明されなければ、自分の考えで取引された場合と考えられますので、多額の損害が発生しても原則損害賠償請求することはできないと考えられます。自己責任となりますので、大変危険な取引であることを十分ご理解の上、できれば取引をされないことが賢明であると考えます。

 
 先物取引に関する最近の最高裁判例について 

 最近先物取引の損害賠償に関する判例で注目すべき判例が出ましたので紹介しておきます。
 多少専門的な内容ですが、これからの先物取引における損害賠償請求において、請求者側にとって責任を認めさせるという意味で、かなり画期的に有利な判例だと思われますので、ここでご紹介することとします。

平成21年7月16日最高裁第一小法廷判決判例要旨

「特定の種類の商品先物取引について差玉向かいを行っている商品取引員が専門的な知識を有しない委託者との間で商品先物取引委託契約を締結した場合、商品取引員は、上記委託契約上、商品取引員が差玉向かいを行っている特定の種類の商品先物取引を受託する前に、委託者に対し、その取引について差玉向かいを行っていること及び差玉向かいは商品取引員と委託者との間に利益相反関係が生ずる可能性の高いものであることを十分に説明すべき義務を負い委託者が上記の説明を受けた上で上記取引を委託したときにも、自己玉を建てる都度、その自己玉に対当する委託玉を建てた委託者に対し、その委託玉が商品取引員の自己玉と対当する結果となったことを通知する義務を負う。

*差玉向かい:板寄せ(商品取引所の立会において、同一限月の各商品につき、売付けと買付けの数量が合致したときに、そのときの値段を単一の約定値段とし、同数量の売付けと買付けについて売買約定を締結させる競争売買の方法)による取引について、商品の種類及び限月ごとに、委託に基づく売付けと買付けを集計し、売付けと買付けの数量に差がある場合に、この差の全部又は一定割合に対当する自己玉を建てることを繰り返す商品取引員の取引方法
*自己玉:商品取引員が自己の計算をもってする取引*委託玉:商品取引員が委託に基づいてする取引」(最高裁ホームページ 最高裁判例検索における判例要旨から引用)

平成21年12月18日 最高裁判所第二小法廷判決でも同様の判決が出ています。内容は以下の通りです。

「委託玉と自己玉とを通算した売りの取組高と買いの取組高とを均衡するように自己玉を建てることを繰り返す取引手法のことを「本件取引手法」という。」
「そして、本件取引手法が用いられると、取引が決済される場合、委託玉全体と自己玉とに生ずる結果が、一方に利益が生ずるなら他方に損失が生ずるという関係にある。この意味で、委託者全体と商品取引員との間には利益相反の関係がある。
「商品先物取引は、相場変動の大きい、リスクの高い取引であり、専門的な知識を有しない委託者には的確な投資判断を行うことが困難な取引であること、商品取引員が、上記委託者に対し、投資判断の材料となる情報を提供し、上記委託者が、上記情報を投資判断の材料として、商品取引員に対し、取引を委託するものであるのが一般的であることは、公知の事実であり、上記委託者の投資判断は、商品取引員から提供される情報に相応の信用性があることを前提にしているというべきである。そして、商品取引員が本件取引手法を用いている場合に取引が決済されると、委託者全体の総益金が総損金より多いときには商品取引員に損失が生じ、委託者全体の総損金が総益金より多いときには商品取引員に利益が生ずる関係となるのであるから、本件取引手法には、委託者全体の総損金が総益金より多くなるようにするために、商品取引員において、故意に、委託者に対し、投資判断を誤らせるような不適切な情報を提供する危険が内在することが明らかである。そうすると、商品取引員が本件取引手法を用いていることは、商品取引員が提供する情報一般の信用性に対する委託者の評価を低下させる可能性が高く、委託者の投資判断に無視することのできない影響を与えるものというべきである。
 したがって、少なくとも、特定の商品(商品取引所法2条4項)の先物取引について本件取引手法を用いている商品取引員が専門的な知識を有しない委託者から当該特定の商品の先物取引を受託しようとする場合には、当該商品取引員の従業員は、信義則上、その取引を受託する前に、委託者に対し、その取引については本件取引手法を用いていること及び本件取引手法は商品取引員と委託者との間に利益相反関係が生ずる可能性の高いものであることを十分に説明すべき義務を負うものというべきである。
 

この「差玉向かいという手法」は、おそらく消費者(先物取引被害者)を相手にしている全ての商品取引会社が、自分の利益を得るためにとっており、この手法について説明を行い、また通知を行っている業者は、まずいないと考えられます。重要な不法行為もしくは債務不履行の一つとなります。

 

                                       あすなろ法律事務所
                                        所長 弁護士 新穂正俊
                                             
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